2024.11.16

11月24日は「和食の日」
日本が世界に誇る
食文化の魅力

日本の食文化を象徴する和食は、2013年に「ユネスコ無形文化遺産」に登録されました。四季折々の食材をふんだんに使い、ヘルシーで栄養バランスにすぐれた和食は、海外でも大きな注目を集めています。毎年11月24日(いいにほんしょく)は「和食の日」。秋の味覚がたくさんとれるこの時期に、日本の食文化を見つめ直し、和食の魅力を再発見しませんか?

和食イメージ画像

1.和食がユネスコ無形文化遺産になった理由

南北に長くのびた地形で、四季の変化に富んだ日本は、豊かな自然と気候風土に恵まれています。和食がユネスコ無形文化遺産に登録された理由は、その独自性と文化的価値が世界的に認められたためです。特に、次のような4つのポイントが高く評価されました。

【多種多様な旬の食材】
日本全国のさまざまな地域で、新鮮な旬の食材を使い、素材の持ち味を活かした伝統料理が受け継がれていること。その料理をつくるための調理技術・道具にも、先人たちの知恵と工夫が散りばめられている。

【美しい自然と季節の変化を表現】
季節の花や葉などの植物で料理を飾りつけたり、その時期に合った器や調度品を使ったりすることで、自然の美しさや四季の移り変わりを表現していること。

ひな祭りのちらし寿司イメージ画像

【健康な食生活を支える栄養バランス】
一汁三菜(汁物1品とおかず3品の組み合わせ)を基本とする和食は、栄養バランスがとりやすい。だしの旨みや発酵食品を上手に活用し、動物性油脂の摂取量をセーブ。日本人の健康維持に役立っている。

【年中行事との深い関わり】
日本の食文化は、正月やひな祭り、こどもの日、七夕、十五夜といった年中行事と密接に結びついて発展してきた。日本人はさまざまな行事を通して、自然の恵みである「食」を分かち合い、食事のひとときを共にすることで、家族や地域の人々との絆を深めてきた。

ひとくちメモ

ユネスコ無形文化遺産とは

芸能や伝統工芸技術をはじめとする、形のない文化のこと。それぞれの土地の歴史や生活風土などと密接につながっているもの。ユネスコの「無形文化遺産保護条約」は、このような文化を保護・尊重するために無形文化遺産の登録制度を行っている。

※ユネスコ:国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization/U.N.E.S.C.O.)の略称。

2.和食の始まりは平安時代から

日本で和食文化が始まったのは、平安時代からと言われています。それまでは食材を「焼く」「蒸す」「ゆでる」という基本的な調理法が使われていましたが、この頃から昆布とカツオ節のだしを使った新しい調理法が取り入れられるようになりました。
当時の食事は植物系の食材が中心だったため、だしで料理に旨みを加える調理法は画期的でした。この「だし文化」が徐々に広まっていくことで、和食は大きな進化を遂げたのです。

3.和食を引き立てる「だし」の旨み

和食に欠かせない「だし」は、日本独自の旨み調味料。昆布・かつお節・煮干し・シイタケなどの食材をじっくり熟成したもので、水にひたすだけ、もしくはサッと火にかけるだけで、素材の旨みそのものを抽出することできます。
味噌汁やすまし汁のベースとしてはもちろん、煮物、おひたし、だし巻き卵をはじめ、幅広い料理の味を決定づける隠れた主役と言えます。

出汁とその素材イメージ画像

4.麹の力を活かした発酵食品

和食によく使われる「味噌、醤油、酢、みりん、酒」。これらの調味料はすべて発酵食品です。また、カツオ節の枯節・本枯節や納豆、漬物なども同じ発酵食品に分類されます。発酵とは、微生物の働きによって食品が変化し、人間にとって有益なものになること。反対に、有害なものへと変化する場合は「腐敗」と言います。

発酵食品 味噌のイメージ画像

日本の発酵食品は、麹(こうじ)を使ってつくるのが最大の特徴。麹はもともと中国から伝わったと言われますが、麦や大豆から麹をつくる中国とは異なり、稲作がさかんだった日本では、米から麹をつくるようになりました。
麹菌は分解力の強い酵素を大量につくり出し、酵母を無数に増殖させて広がっていくため、味に複雑な旨みと奥行きが生まれます。さらに食品の栄養価や保存性も高め、腸内環境の改善、抗酸化作用などもサポートしてくれる「超・優良菌」なのです。
米麹の登場によって、日本の発酵技術は飛躍的に進歩しました。全国に米味噌が広まり、さまざまな地域で味噌がつくられるようになったのです。醤油や酒も麹の力でおいしさが格段にアップし、各地の醸造蔵では独自の麹を育てるようになりました。

5.正月のおせちに始まる多彩な行事食

日本には季節の行事やお祭り、冠婚葬祭などのシーンで、いつもと違う特別な料理を食べる習慣があります。たとえば正月のおせち料理には、新年の幸せと健康を願って、さまざまな意味のこもったメニューが並びます。黒豆はマメに健康に過ごせるように、数の子は子孫繁栄のために、レンコンは将来の見通しが良くなるように、エビは長寿を祈って、たけのこは子供の健やかな成長のために。
日頃の感謝を込めて神様にごちそうを供え、神様と同じものを食べることで、災いをはらい、福を招き寄せることができると信じられていたからです。昔の人々の祈りは、現在もさまざまな行事食の中に息づいています。

おせち料理のイメージ画像

行事食カレンダー

1月

  • ●正月:おせち、雑煮など
  • ●七草:七草がゆ
  • ●鏡開き:おしるこ

2月

  • ●節分:福豆
節分 赤鬼と青鬼イメージ画像

3月

  • ●ひな祭り:ひなあられ、ちらし寿司、はまぐりの吸い物
  • ●春の彼岸:ぼたもち、おはぎ
  • ●お花見:弁当、だんご

5月

  • ●こどもの日:柏もち、ちまきなど

7月

  • ●七夕:そうめん
七夕 織姫と彦星のイメージ画像

7月末〜8月初旬

  • ●土用の丑の日:うなぎの蒲焼き

8月

  • ●お盆:そうめん、だんご、もちなど

9月

  • ●十五夜:だんご
  • ●秋の彼岸:ぼたもち、おはぎ
十五夜お月様 イメージ画像

12月

  • ●冬至:カボチャ
  • ●大晦日:そば

《出典元・参考文献》

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