どこの国が発祥?
固めと柔らかめの違いから種類、作り方まで
知れば知るほど美味しいプリンの世界
なめらかな口あたりと優しい味わいで、子供から大人まで幅広い世代に人気のプリン。
卵と牛乳、砂糖があれば作れるシンプルなデザートですが、実は作る人や素材の配合バランスによって、味も見た目も食感もさまざまに異なります。
ここ数年は昭和レトロや喫茶店ブームの影響から、昔懐かしい固めのプリンが注目されていますが、とろとろの柔らかいプリンも根強い支持を集めています。このように多種多様な進化を遂げたプリンは、どこの国で生まれて、どんな歴史をたどってきたのでしょうか?簡単そうに見えて、意外に奥が深いプリンの世界をのぞいてみましょう!
もくじ
1.プリンの起源はイギリス発祥のプディング
みなさんはプリンというと、まず甘いお菓子を思い浮かべるのではないでしょうか?
私たちにとってなじみ深いプリンの正式名称は「カスタードプディング」。イギリス発祥の伝統料理「プディング」の一種とされています。プディングとは小麦粉に卵や牛乳を混ぜ、肉やフルーツなどの食材を生地に詰め込んで調理したもの。地域や家庭によって具材も製法もさまざまで、甘いものだけでなく、塩で味つけするものもありました。
プディングが歴史的に大きな役割を果たしたのは、16世紀の大航海時代。当時イギリスは世界の海の覇権を握ろうとしていましたが、そこで死活問題となったのが食料不足です。船乗りたちは長い航海の間、限られた食材から料理を作らなければなりませんでした。彼らは貴重な食材を無駄にしないように、余ったパンや肉、野菜の切れ端などを混ぜ合わせ、卵液と一緒に蒸し焼きにしたのだとか。一説によれば、これをプディングのルーツと見る向きもあります。
18世紀末〜19世紀初頭には、フランスでもプディングが作られるように。具材を入れずに卵だけで固める現在のカスタードプディングの原型は、この時代にフランスの職人によって生み出されたと言われています。
2.プリンは日本語!?日本で人気のおやつになるまで
日本にプディングが伝わったのは、江戸時代後期〜明治時代初期とされています。幕末の開国にともない、さまざまな西洋文化と共にやって来たようです。日本人の耳にはプディングという言葉が聞き取りにくかったのか、1872年(明治5年)に出版された「西洋料理通」という本では、「ポッディング」の名でレシピが紹介されています。その後、さらに発音が訛って「プリン」という日本独自の呼び方が定着していきました。
昔の日本では卵や牛乳などの材料が高価で入手困難だったため、プリンは都市部のホテルやパーラーなどでしか食べられない高級な洋菓子でした。蒸し器やオーブンなどの調理器具もまだ普及しておらず、家庭で作るのも難しかったようです。
プリンが庶民に身近なおやつになったのは、20世紀も後半になってから。1964年(昭和39年)に家でもプリンが作れる市販の粉が発売されたこと、電気やガス、冷蔵庫が一般家庭に普及し始めたことで、ようやく気軽に楽しめるデザートとなりました。
3.プリンの種類と作り方
ひとくちにプリンと言っても、実はさまざまな種類があります。また、人気を二分する「固め」と「柔らかめ」の食感は、何によって違いが生まれるのでしょうか?それぞれの特徴や作り方を比較してみました。
【蒸しプリン】
牛乳と砂糖を混ぜた卵液を型に流し込み、鍋やオーブンで蒸し固めたもの。カスタードプリンとも呼ばれます。昔ながらのシンプルなプリンで、卵の風味がしっかり感じられます。卵で固めているので、型から取り出しても形がくずれにくく、比較的歯ごたえのある固めの食感が多いです。
【焼きプリン】
オーブンで加熱する際にフタをせず、表面に焼き色をつけたプリン。こんがり香ばしい焼き目が味に深みを与えます。
【クリームプリン】
牛乳の一部を生クリームに置き換え、とろりとした口あたりに仕上げたもの。卵黄だけを使い、とろける食感をさらに強調する場合もあります。
【ケミカルプリン】
スーパーなどで販売されている、比較的リーズナブルな量産型プリン。品質安定のため、加熱せずにゼラチンや寒天などの凝固剤を使って冷やし固めます。卵を使わず凝固剤だけで固めているので、ゼリーのようにつるんと柔らかな食感が多め。凝固剤の配合量によっては、型から取り出せるほどの固さを持ったものもあります。
4.「固め」と「柔らかめ」食感の違いとは
先述の通り、蒸しプリンは卵によって固まります。これは、卵に含まれるタンパク質が加熱によって固まる性質を利用しているのです。しっかりとした固めのプリンには全卵が、柔らかいプリンには卵黄(または卵黄と全卵)が使われることが多いようです。
卵とは反対に、砂糖にはタンパク質の凝固を抑える働きがあります。このため、砂糖の量が少ないプリンは固い食感に、多いプリンは柔らい食感に仕上がります。
プリンは簡単な材料で作れるおやつですが、このように材料の特性を上手に活かして、繊細な食感の違いを生み出しているのですね。シンプルだからこそ難しいスイーツと言えます。
5.プリンにカラメルが入っているのはなぜ?
フランスでカスタードプディングが誕生した当時は、大きな型に卵液を流し込んで作っていました。しかし取り出す際、プディングが型の底にくっついて崩れてしまうので、職人たちは頭を悩ませていたそうです。そこで考え出されたのが、西洋菓子によく使われるカラメルソースを容器の底に入れる手法。カラメルは水に溶けやすい性質で、上から卵液の水分を注がれても固まることがなく、容器と卵液の間にカラメルの層を形成するため、型の底にくっつかず、きれいに取り出すことができるのです。
現在は器から取り出さなくてもスプーンで食べられるプリンが多く、カラメルを入れる必要はなくなりましたが、「プリンにはカラメル」という昔からのイメージが強いためにカラメルが添えられています。
ちなみに、フランス語でプリンは「クレーム・カラメル」「クレーム・ランヴェルセ」とも呼ばれます。ランヴェルセとは「ひっくり返した」という意味で、完成したプリンの型を逆さにひっくり返して、お皿に盛り付けていたことに由来します。海外で「プリン」と言っても伝わりにくいので気をつけましょう!
西原オンラインストア 西通りプリンのご紹介
九州産の素材を活かした本物の味わい
なめらかで濃厚な王道の蒸しプリン
福岡県は博多の天神西通りで、黄色い移動式ワゴンからスタートした西通りプリン。「子供の笑顔が見たいから、安心して食べられるプリンを作りたい」というお母さんの想いから誕生した、ちょっぴり素朴で懐かしい蒸しプリンです。
九州産の卵や牛乳、生クリームなどの上質素材をふんだんに使い、固すぎず柔らかすぎない、しっとりなめらか食感に仕上げました。手作りでじっくり丁寧に焦がした“後入れカラメルソース”が引き立てる、ほんのり優しい甘み。天然バニラビーンズだけを使用した、奥深く芳醇な香り。パティシエが腕によりをかけて完成させた本物の味が口の中いっぱいに広がります。
定番商品
年間を通じてご購入可能な西通りプリンの人気商品。
素材の味を最大限に活かした、本物の美味しさがここにあります。
西通りプリン原点の味。生クリームをたっぷり使用した、
なめらかで濃厚な蒸しプリン。後入れのカラメルソースを
お好みで加えれば、ほどよい甘さとビターな香ばしさが
絶妙に溶け合います。
牛乳本来のまろやかで優しいコクを最大限まで
引き出しました。全世代に人気のある、昔懐かしい
味わいの蒸しプリンです。
福岡名産の八女茶を使用。すっきり自然な甘みの中に、
八女茶のほどよい渋みを効かせました。爽やかで芳醇な
香りが口いっぱいに広がります。
福岡限定栽培のいちご「あまおう」を贅沢に使用。
あまおう独特のみずみずしく濃厚な甘みをギュッと閉じ込めました。
期間限定商品
四季折々の旬の素材をふんだんに使用した期間限定商品。
代表的な味をピックアップしてご紹介します!
※季節限定のため、期間外での販売はありません。
※過去の販売実績のため、今季はフレーバやトッピングが変更となっている場合がございます。
【さくら】2月中旬 ~ 4月中旬販売
淡いピンク色のさくらあんをたっぷりと練り込み
柔らかな花の香りを閉じ込めました。上品な甘みと
香りが楽しめる、華やかで春らしい一品です。
【マンゴー】6月中旬 ~ 8月上旬販売
マンゴーをまるごと食べているような贅沢感がたまらない!
ジューシーでトロピカルな香り漂うなめらかプリン。
【ラムネ】6月中旬 ~ 8月上旬販売
まろやかなミルクベースのラムネプリンに
爽快なラムネゼリーを重ねた2層仕立て。
味も見た目も涼やかで、意外な人気を誇る夏の限定品。
【栗】8月下旬 ~ 9月下旬販売
イタリア産マロンペーストを練り込んだ
風味豊かなプリンに、栗の甘露煮と
ホイップクリームを合わせてコク深く仕上げました。
【かぼちゃ】 9月上旬 ~ 10月下旬販売
ホクホクの食感で甘みの強い、北海道産えびす
かぼちゃのペーストを使用。かぼちゃをそのまま
食べているような優しい甘みが口中に広がります。
【クリスマス】 12月1日 ~ 12月下旬販売
まろやかなホワイトチョコプリンに、甘酸っぱい
あまおうゼリーを重ねた2層仕立て。キュートな
ひいらぎチョコはクリスマスにもぴったり!
ご注意
- ※季節によって販売商品は異なります。
- ※販売期間は変更となる場合がございます。
- ※掲載商品の中には現在、販売終了しているものもございます。
- ※定番商品も原材料の入手状況によっては販売休止する場合がございます。
《出典元・参考文献》
- 猫井登「お菓子の由来物語」(幻冬社)
https://www.gentosha.jp/article/20362/ - 吉田菊次郎「日本人の愛したお菓子たち 明治から現代へ」(講談社選書メチエ)https://gendai.media/articles/-/107472?imp=0
- レタスクラブ「もともとは船乗りの食べ物だった⁉️ 知られざる“プリン”のルーツを辿れ!」https://www.lettuceclub.net/news/article/186505/
- プレジデントオンライン「欧米には存在しない」純国産菓子プリンが“固めレトロ”に回帰するまでhttps://president.jp/articles/-/48127?page=2#goog_rewarded
- NHK チコちゃんに叱られる!「なぜプリンにカラメルが入っている?」
https://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/4743.html#google_vignette - 一般社団法人 日本educe食育総合研究所「かため」と「やわらかめ」プリンの違いとは?
https://www.educe-shokuiku.jp/news/food/pudding/